植物は太陽から光エネルギーを吸収して、電子伝達経路において還元力(NADPH)や化学エネルギー(ATP)を合成する。そして、それらのNADPHやATPを利用して、二酸化炭素を固定し糖やデンプンを生産する。光合成における電子伝達経路には、リニア電子伝達経路と光化学系Iサイクリック電子伝達経路系が存在する。光化学系Iサイクリック電子伝達は半世紀以上前に発見されたが、その生理機能は不明のままであった。本研究成果によって、NDH複合体に依存する光化学系Iサイクリック電子伝達経路は弱光環境下における光合成電子伝達反応の最適化に重要な役割を果たすことが明らかとなった。
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