研究課題
本研究では,味覚受容体タンパク質の動作メカニズムの解明を見据えて,味覚受容体細胞外領域に対する機能性抗体の取得と,それらの性状解析を目的とする。味覚受容体と抗体の双方について,高品質のサンプルを調製し,それらの物理化学的性質と抗体の持つ分子機能とを丹念に調べ上げることが,本研究の特徴である。前年度において,(1) モノクローナル抗体からのFab断片の調製と各種クロマトグラフィー法を用いた精製,(2) ゲルろ過クロマトグラフィーによるFab断片と味覚受容体細胞外領域の相互作用解析,を行った。今年度は,前年度に確立した精製法を用いて,より大きなスケールで高い純度の精製Fab断片を調製した。結晶化を行うに十分な量のサンプルが得られ,味覚受容体細胞外断片との共結晶化を行った。また,前年度に引き続き,Fab断片と味覚受容体細胞外領域の相互作用を,ゲルろ過クロマトグラフィーにより解析した。エピトープのオーバーラップの有無を明らかにすることを目的に,同時に複数種類のFab断片を,味覚受容体細胞外断片と混合して解析した。合計5種類のFab断片について解析した結果,3種類のFab断片で,エピトープ領域が共通している可能性が考えられた。得られた情報は,今後,Fab断片の性状解析を進展させる上で有用である。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)
Mol Cell
巻: 54 ページ: 1034-1041
10.1016/j.molcel.2014.05.002.