研究実績の概要 |
前年度に構築した造血幹細胞から末梢血球に至る分化過程の仕組みに関するシミュレーションモデルを用い、各細胞系譜の恒常的な機能維持のメカニズムの解析を行った。また、細胞分裂に関わる特定の突然変異の蓄積により、恒常性が破壊されるメカニズムに関しても解析を行った。シミュレーションで使用するパラメータは現在の知見や先行研究を参考に決定した。 当研究により、造血幹細胞から前駆細胞をへて機能細胞に至る階層性が造血組織における細胞数維持にどのように関わっているのかということと、年齢とともに増加する造血器腫瘍の発症率の関係を明らかにすることが出来た。 これらの結果はスウェーデンで行われた9th European Conference on Mathematical and Theoretical Biologyや大阪で行われたJoint Annual Meeting of the Japanese Society for Mathematical Biology and the Society for Mathematical Biologyといった国際学会で発表した。 その他にも、国際誌であるPLoS One誌 (9(8): e105724)、国内の専門誌である「実験医学」(Vol 32, No.12 208-213)、「がん分子標的薬治療」(Vol 12, No.3 72-77)に論文として発表した。
|