真核生物の細胞では、貯蔵脂肪を代謝して、成長に必要なエネルギーとなるスクロースを合成するため、オイルボディとペルオキシソームが協調的に機能すると考えられているが、その生物学的な意義は明らかでなかった。本研究では、オイルボディとペルオキシソーム間の膜付着を制御する遺伝子を発見し、脂肪分解とこれら細胞小器官どうしの相互作用について生物学的なリンクを初めて明らかにした。私たちの結果から、植物細胞は最終産物であるスクロースをシグナルとして、オイルボディとペルオキシソームの物理的相互作用を制御することにより脂肪分解ひいては脂肪酸の移動を微調整する新規のメカニズムを明らかにした。
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