本年は、昨年度行った理論研究をベースにした論文の作成と、一年目の研究の積み残しとなってしまった農村の社会ネットワークの可視化・指標化に関する研究を実施した。2012年度まで調査を行ってきた山形県長井市を複数回訪れ、当時の分析結果から後の変化についても確認し、ネットワーク関係には大きな変動が生じていないことを確認した。 ネットワークの可視化とそこから得られる農家情報の重要性について、筑波大学東京キャンパス文京校舎で2015年1月26日に行われた農業農村工学会農業農村整備政策研究部会第2回研究集会で「農地流動化の進展に伴う農家間関係の変化と水路情報の共有」と題して報告する機会を得た。この内容については現在農業農村工学会の雑誌に投稿中である。 他に、愛知用水土地改良区をフィールドとして、農業用水のあり方に関するワークショップを実施したほか、アンケート調査も行った。その中では、農業用水の活用策と農家・非農家の関係を考慮する分析を行った。成果については3月29日に東京農工大学で行われた22015年度日本農業経済学会で個別口頭報告「農業用水の多面的機能に対するサービス科学的考察-潜在的需要の把握-」を行った。その内容は現在投稿中である。 研究全体においては、理論研究の活用が十分になされなかった点、および、目標のひとつであった空間計量経済学を用いた分析成果の公表に至らなかった点が反省点である。これは引き続き研究課題としたい。
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