研究課題/領域番号 |
25892013
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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研究機関 | 基礎生物学研究所 |
研究代表者 |
新村 毅 基礎生物学研究所, 季節生物学研究部門, 特任助教 (50707023)
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研究期間 (年度) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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キーワード | 行動 / 発声 / RNA-seq / QTL / バイオインフォマティクス / 次世代シークエンサー / 鶏 / リズム |
研究概要 |
本研究課題の目的は、ニワトリのCrowing をモデルとして、先天的発声の制御機構を集団レベルから分子レベルまで明らかにすることである。平成25年度の研究実施状況は、以下に示す通りである。 ①集団レベルにおける制御機構:これまでに、明暗条件下ではCrowing が点灯前から予知的に観察されること、恒薄明条件下では24 時間より短い周期で自由継続することを報告している。この結果を基に集団レベルでの解析を実施したところ、最上位個体が集団内のCrowing のタイミングを決めていることを強く示唆する結果が得られており、現在、論文投稿の準備を進めている。 ②分子レベルにおける制御機構(トランスクリプトーム解析):これまでに、Crowingはテストステロン依存的であり、テストステロン投与により雛においてCrowingが誘起されること、去勢手術により雄鶏においてCrowingが制御されることを確認した。このようなCrowingを示す個体と示さない個体のCrowing中枢部位からcDNAライブラリ―を作製し、次世代シークエンサーを用いたRNA-seqにより網羅的に遺伝子発現解析を実施した。 ③分子レベルにおける制御機構(フォワードジェネティクス):正常のCrowingを示す系統と異常なCrowingを示す系統を用いて家系を作出した結果、この異常なCrowingは優性遺伝することが明らかになった。表現型と遺伝子型の解析方法を確立し、これまでに得られた個体の表現型および遺伝子型判定を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
平成25年度は、集団レベルおよび分子レベルでの制御機構の解明に必須な基盤を十分に整えることができた。特に、集団レベルでの制御機構については、最上位個体が集団内のCrowingのタイミングを決めているという生命現象を発見し、論文投稿の準備をするところまで研究を前進することができた。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、以下のことを目標とする。 ①集団レベルにおける制御機構:論文の投稿および受理。 ②分子レベルにおける制御機構(トランスクリプトーム解析):バイオインフォマティクス解析により、各比較群において共通して発現変動している遺伝子をCrowing 関連遺伝子として抽出する。 ③子レベルにおける制御機構(フォワードジェネティクス):QTL解析により、Crowing制御遺伝子が存在する候補領域を特定する。
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