野生型マウスの左冠動脈を結紮し心筋梗塞(MI)を作成し、4週間後に心エコーによる心機能評価を行った。左室の拡張、心収縮の低下を認め、梗塞領域の壁厚は菲薄化していた。組織学的には非梗塞部心筋細胞肥大、間質の線維化の促進が認められ、心筋リモデリングが進行していた。非梗塞部心筋におけミトコンドリア分裂促進因子Drp1と融合促進因子Mitofusion1(Mtf1)のタンパクレベルのウェスタンブロットにより評価した。Drp1はSham群とMI群で同程度であったが、Mtf1はMI群でsham群に比べ高値であった。非梗塞部心筋におけるミトコンドリア形態を電子顕微鏡にて評価した。MI群ではsham群に比べミトコンドリアの大小不同を呈していた。以上から心筋梗塞後の非梗塞部心筋においてミトコンドリア形態異常はMft1の変化と関連している可能性が示唆された。
|