研究課題
本研究申請は、研究代表者が世界ではじめて確立したラットのVoxel-based morphometry (VBM)法を用いて、「海馬の構造的な変化が心不全におけるうつ病の原因である」という仮説を検証し、うつ病・心不全間の悪循環を断ち切る端緒を開く事を目的として申請を行った。実験計画として、平成25年度には以下の三つの研究内容を実施する予定で本研究申請を行った。1. ラット心不全モデルの作成:ラットの心不全モデル(冠動脈結紮ラット)、及び開閉胸は行うが冠動脈を結紮しないsham群の再現性のある作成に成功した。2. ラット心不全も出るに対する行動実験:心不全によるラットのうつ症状を調べる目的で、心不全群、sham群に対し、Open field試験、Crossmaze試験を行った。結果として、Open field試験、Crossmaze試験のどちらにおいても心不全群がsham群よりも有意にうつ症状が強いことが示された。3. ラット心不全モデルに対する脳MRI撮影:心不全群、sham群に対し、Bruker社の小動物用7テスラMRIを用いて脳のMRI撮影を行った。撮影した脳MRI画像をラットのVBM法を用いて解析し、海馬の体積を計算した結果、心不全群がsham群よりも有意に海馬の体積が小さいことが示された。以上の研究結果から、平成25年度に申請を行った研究内容に関しては概ね順調に進んでいると考えられ、平成26年度に以下の二つの研究内容を実施する予定で本研究を行った。4.ラット心不全モデルに対する脳の組織学的評価:当初予定していた神経新生の評価において、心不全ラットでは神経新生が減少することを示しただけでは無く、有意な軸索伸長の減少やグリア細胞の増加を認めることも発見した。5.ラット心不全モデルに対する抗うつ薬、心不全治療薬の投与:現在鋭意検討中である。以上の研究結果については、平成25年度の研究結果と合わせNeuroImage誌に投稿し採択された。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (8件) (うち招待講演 1件)
J Arrhythmia.
巻: in press ページ: in press
doi:10.1016/j.joa.2014.11.002
Neuroimage.
巻: 105 ページ: 84-92
doi:10.1016/j.neuroimage.2014.10.040
J Cariol Cases.
巻: 10 ページ: 180-183
doi:10.1016/j.jccase.2014.07.005