研究課題
本研究は、年齢依存性難治性てんかんの代表であるWest症候群において、根治的な外科治療の方針を決定するのに重要である発作焦点同定を試みる研究である。てんかん発作に関連した脳活動の検出を筋電上の活動をトリガーに脳活動を平均加算し脳波・脳磁頭上明らかでない発作焦点の検出を試みるが、どのような筋電図上の波形がトリガーとして最適なのかは確立されていない。そこで焦点性運動発作を有するてんかん患者のうち臨床発作を脳波で記録し、視覚的に脳波上は明らかなてんかん性活動を認めないと判断された症例において、表面筋電図をトリガーとして脳波活動を加算平均し発作に関連した脳活動が検出できるかを検討した。対象は2例の部分てんかん患者である。症例1では一側足の間代けいれんが発作症状であったため患側の短母趾屈筋を、症例2は右顔面の間代けいれんが発作症状であったため患側の眼輪筋をカバーするように筋電図をそれぞれ貼付した。発作時筋活動を自動検出プログラムにより抽出しこれをトリガーとして逆行性に脳波活動を加算平均した。両症例ともに発作時の筋収縮は筋電図に反映されているものの、生理学的に妥当な脳波上の活動が明らかとなったのは症例2のみであった。両症例の筋電図波形および振幅を検討すると、症例1では筋電図波形が低振幅・多峰性であるのに対し症例2では高振幅・単峰性という傾向が見られた。今回の検討から、発作時に視覚的に脳波上明らかなてんかん性活動を認めない症例においても、適切な筋電図記録を用いることで加算平均により発作に関連する脳活動を検出しうることが示された。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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巻: 未定 ページ: 未定
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