本研究では、ポリフェノールの一種であるプロアントシアニジン(PA)が有する細胞増殖促進効果の検証を行った。試験にはヒト歯肉線維芽細胞を使用した。試験の結果、PAは濃度依存的に細胞増殖促進効果を発揮することが分かった。更に、純水・滅菌生理食塩水・血清無添加培地に暴露させストレスを負荷する条件では、PAにて短時間処理を行うことで細胞保護効果を発揮し、生存細胞減少の抑制および細胞内で生成される活性酸素の上昇抑制が確認された。以上の結果から、細胞増殖促進効果による創傷の治癒促進だけでなく、細胞保護効果により生体へのダメージを軽減できる可能性が示され、感染創傷治療におけるPAの有用性が示唆された。
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