今後の研究の推進方策 |
平成25年度に計画した研究計画の中で一部達成不十分であった項目を認めたが、いずれも現在進行中でありこのまま継続予定である。 平成26年度研究計画1)変異KCNJ5副腎特異的発現トランスジェニックマウスの解析 今年度中に変異KCNJ5副腎特異的トランスジェニックマウスの副腎皮質における発現をGFPの免疫組織学的検討で経時的に確認し、同時に副腎におけるアルドステロン産生腺腫が発生するか観察する予定である。腫瘍の発生が確認されれば、平成25年度の1)~3)による結果を経時的に検証する。また、胎児死亡や腫瘍化に至らなかった場合は、新たにテトラサイクリンにより導入遺伝子の発現時期を制御可能なトランスジェニックマウスを作成する。 平成26年度研究計画2)変異KCNJ5恒常的細胞株の樹立と解析ならびに応用 変異KCNJ5による腫瘍発生分子機構の詳細を最後にin vitroで検証するため、ヒト副腎皮質がん細胞株H295R細胞を用い、ネオマイシン耐性遺伝子を組み込んだ野生型、 p.G151R,c.451G>A, p.G151R,c.451G>C,およびp.L168R,c.503T>G発現ベクターをelectroporation法で遺伝子導入し、G418にて選別後各種変異KCNJ5細胞株を樹立する。これらの細胞株を用い1)で得られた結果を検証しアルドステロン過剰産生や腫瘍増殖がどのようなシグナル系を介して誘導されるかの詳細を解明する。さらに、明らかとなったシグナル伝達経路の阻害薬やスピロノラクトンによる影響を検討し、新たな分子や伝達経路を標的とした治療法開発への応用を検討する。
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