本研究では放射線照射後のネクローシス及びアポトーシスの誘導について、神経幹細胞と脳腫瘍細胞を比較した。神経幹細胞または脳腫瘍細胞に対してX線照射し、Acridine Orange及びEthidium Bromideの二重染色によってネクローシスとアポトーシス細胞の割合を測定した。その結果、神経幹細胞はアポトーシスによる細胞死の亢進が認められた。一方で脳腫瘍細胞はアポトーシスに対して抵抗性であった。また、神経幹細胞ではp53のリン酸化の亢進が認められた。さらに、バイスタンダー効果について解析したところ、神経幹細胞におけるX線誘発のアポトーシスの多くは直接効果によるという予備的な結果が得られた。
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