今後の研究の推進方策 |
1)NCSCを継代培養した後、CNTF, Nrg, cAMP添加にてSchwann細胞に分化させる。分化の指標として、免疫細胞化学染色にてSchwann細胞のマーカーであるS100, GFAP, MBP陽性であることを確認する (Lee et al. Nature biotech.2007)。分化させたSchwann細胞(以下dScC)中のNGFをELISAまたはwestern blottingで発現を確認する。さらにdScCとPC12細胞を共培養し、神経様突起の伸長を評価する。対照はNCSC, primary Schwann細胞(以下pScC), NGF20nMとし伸長を比較検討する。 2)末梢神経損傷モデルにおける細胞移植評価: 免疫不全マウスを用いた坐骨神経圧挫モデルを作成、作成7日後に方法1で分化させたdScCまたはpScCまたはNSCSをscaffoldに包埋し損傷部に移植する。dScC群、pScC群、NCSC群、vehicle(scaffoldのみ)群、sham群の5群間で、移植後3日、1週、2週、4週、8週における行動評価を行う。 行動評価はvon frey test, Cat walk等にて感覚評価、運動評価を行っていく。坐骨神経損傷・移植部のHE染色、トルイジンブルー染色等で、炎症細胞の浸潤や形態変化を評価し、免疫学的にはマクロファージ系、単球系の炎症細胞マーカーを用い拒絶反応の評価を行う。western blottingまたはRT-PCRにてNGFの変化を定量し移植細胞の生物活性を評価、免疫組織学的染色にて髄鞘形成のマーカーであるMBP, P0を同定し評価する。また、6ヶ月後、12ヶ月後の組織標本を作製し、奇形腫等の腫瘍形成の有無を確認し臨床応用を念頭において評価する。
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