副腎白質ジストロフィー(adrenoleukodystrophy;以下 ALD)は先天的な脂質代謝異常によって 脱髄が起こるペルオキシソーム病の一種である。特定疾患として指定された難病であり、有効な 治療法は未だ確立されていない 。近年、ALD 患者に関する研究から、ALD 患者は ABC (ATP-binding cassette)トランスポーターの一種である ABCD1 に変異を有していることが明らかとなった。各変異型 ABCD1 は変異によりタンパク質の安定性が低下し 、プロテアソーム依存的に分解されることや正しい細胞内局在を示すことができず、機能低下を示すことが報告され た。本研究では、これら細胞内挙動を修正するファーマコロジカルシャペロンの概念を基盤とし て、変異型 ABCD1 の細胞内発現量や局在を修正する新規 ABCD1 リガンドの創製を目的とする。これまでに変異型ABCD1プラスミドの作成を行い、作成した変異体の局在や発現量に関する検討を行い、その変異体が修正可能かどうかを検討した。 低温培養等を試みたところ、その局在には影響を与えなかった。 活性評価系の確立と同時に核内受容体リガンドの創製を行った。目的のPPARである調査脂肪酸ミミックあるいはその他の核内受容体リガンドの創製を行った。
|