研究実績の概要 |
Leukocyte mono-immunoglobulin-like receptor (LMIR)/CD300はペア型免疫受容体ファミリーである。研究代表者のグループは、すでにマウスLMIR3/CD300fのリガンドとして脂質セラミドを同定し、マスト細胞のLMIR3と細胞外脂質セラミドの結合が高親和性IgE受容体(FcεRI)の活性化を抑制することを証明していた(Izawa et al, Immunity, 2012)。 マウスとヒトのLMIR3の細胞外領域の相同性が約55%と高いことに注目し、ヒトLMIR3/CD300Fのリガンドを同定し、その生体内機能を明らかにすることを目標とした。レポーター細胞(2B4-hLMIR3-GFP)やhLMIR3-Fcによる固層化ELISAの系を利用して、ヒトLMIR3が脂質のセラミドとスフィンゴミエリンを認識することを明らかにした。また、スフィンゴミエリン特異的に結合する蛋白であるライセニンを用いて免疫染色を行いスフィンゴミエリンが(マスト細胞が局在する)真皮にも存在することを示した。BMMC hLMIR3-transfectantsをマスト細胞欠損(KitWsh/Wsh)マウスの耳介に生着させたのち、IgEと抗原によりpassive cutaneous anaphylaxis (PCA) 反応を誘導して、マスト細胞に発現するhLMIR3依存的にPCA反応が抑制されることを示した。以上の結果を下記論文に発表した。 Sphingomyelin and ceramide are physiological ligands for human LMIR3/CD300f, inhibiting FcεRI-mediated mast cell activation.Izawa K et al J Allergy Clin Immunol. 2014 Jan;133(1):270-3.
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