研究課題
原発性肝がん・転移性肝がんに対する治療法として「繰り返し肝切除」が生存期間の延長や根治を期待しうる治療法としてその有効性が広く認められている。しかしながら「繰り返し肝切除」をおこなう際の問題点として、前回手術後の癒着と残存肝の再生能の低下という2つの問題点が挙げられる。これらの要因を解決することで実際の切除率を上げ、更なる患者予後の改善につながることが期待される。成体ミニブタから大網と肝臓を採取して、腹膜中皮細胞と肝中皮細胞をそれぞれ回収した。培養条件を検討した結果、腹膜中皮細胞は細胞シートとして移植可能な程度にまでExpandすることが出来た。肝中皮細胞に関しては十分にExpandせず培養条件の更なる改良が必要と思われた。細胞シート化した腹膜中皮細胞を、同一個体に再肝切除を施してその肝切離面に移植したところ、十分な癒着防止効果を得ることが出来た.またマウスやラットとは異なり、ミニブタは近交退化の傾向が強いため、99.99%以上遺伝子が同一である真の意味での近交系が実際には確立していない。そのため、ミニブタ間の移植の場合同系統でもアロ移植となってしまう。そこで自家移植だけでなくアロ移植でも同等の効果がみられるかを小動物間の移植で検討した。C57BL/6Jマウス由来の肝中皮細胞シートをBALB/cマウス・FVB/NJclマウス・C3H/HeJJclマウスの3系統のマウス肝切除後癒着モデルに移植して、癒着防止効果や肝再生促進効果を検討したところ同種同系移植とほぼ同等の効果が得られた。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of hepatology
巻: 62 ページ: 1141-7
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Journal of Hepato-Billiary-Pancreatic Sciences
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
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