研究課題
糖尿病足病変を引き起こす可能性がある足白癬を予防するには、足部に付着した白癬菌を洗浄や清拭で除去する必要がある。洗い残しや拭き残しがあると白癬菌が残存している可能性があるが、簡便に視認できるツールがなく、効果的に洗浄や清拭ができているか確認することが困難であった。本研究の目的は、糖尿病患者において、視覚的ツールを用いて足部の拭き残りを確認することにより、拭き残りが減少するか検証することであった。視覚的ツールとして、光を遮断するようにした箱にブラックライトと小型カメラを内蔵し、蛍光ローションを塗布して足を入れるとタブレットで拭き残しを視認できるツールを開発した。清拭には、以前研究代表者が企業と共同開発したフットケアシートを使用した。糖尿病患者を対象に視覚的ツールを用いて清拭の教育を行い、趾間および足底において拭き残りを評価し教育前後で比較した。解析対象者は30名であり、画像解析ソフトを用いて拭き残り箇所の輝度値の合計を算出した。その結果、趾間では教育前が中央値 3.1 (0.0‐7.1)、教育後が0.0 (0.0-1.7)であり、教育後で有意に減少していた (P = 0.002)。足底では、教育前が8.5 (4.0‐18.5)、教育後が 1.6 (0.0-14.0)であり、教育後で有意に減少していた (P <0.011)。視覚的ツールを用いることによって、より効果的に白癬予防ケア教育が行える可能性が示唆された。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Nurs Res Pract
巻: 2015 ページ: 872678
10.1155/2015/872678