PMMA系レジンの強度は十分ではなく,特に部分床義歯においては応力集中の起こりすい部分で破折する頻度が高い.本研究では,義歯床用レジンの破折強度の向上を目的として,高圧下での重合を試み,機械的特性への影響を検討した.最大980MPaの高圧重合を行った試料より機械的特性を計測し,分子量測定を行い,レジンブロックとしての応用を試みた.高圧重合による分子量の増加,および延性的性質の獲得をみとめた.重合条件の最適化により,さらなる物性の改善を図ることが可能と考えられる.汎用の歯科用PMMA系レジンの高靱性化が可能であることから,歯科領域における多様な臨床応用に高圧重合が役立つことが示唆された.
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