本研究の目的は、中等度以上の甲状腺機能亢進を示す小児バセドウ病新規発症例に対して、抗甲状腺剤であるチアマゾール(MMI)とコレステロール吸収阻害剤の併用療法が初期治療として有用であるかを国内、国外を通じ始めてランダム化比較試験により検討することである。昨年度、研究計画書を作成し、研究代表者の施設で臨床倫理委員会の承認を得た。また無作為割り付け準備(大学病院臨床試験アライアンス)を整えた。本年度、臨床研究保険への加入を行ったが、各社の見積もりに時間を要した。また各研究参加施設での倫理申請が揃わない状況であったが、参加可能な施設のみで、臨床研究をスタートした。平成26年06月26日付けで大学病院医療情報ネットワーク(UMIN)臨床試験登録システム(UMIN-CTR)にUMIN000014383として登録した。今年度末までに26施設参加のうち、20施設において臨床倫理委員会で承認されている。平成26年9月25日、小児内分泌学会学術集会の会期中に、キックオフミーティングを開催した。実際の患者登録は、年度末までに4名であった。本研究の目的であるランダム化比較試験のスタートが無事にきれた。今後、症例登録を増やして、引き続き臨床研究を遂行していく予定である。本研究の内容に関しては、ホームページを作成し、広く国民に周知できるようにした。
|