がん微小環境における乳酸と免疫抑制と関連を明らかにするために、頭頸部癌組織を用いて検討を行った。がん特有の解糖系亢進に関わる因子、グルコース輸送体(GLUT1)、乳酸脱水素酵素A(LDH-A)の発現と組織乳酸濃度との間に関連性を認めた。免疫抑制の評価としてM2マーカー(CD68、CD163、CSF-1R等)の発現を測定した。CD68、CSF-1と乳酸濃度の間で関連性を認めた。また、解糖系因子とM2マーカーの発現を比較すると、GLUT1・LDH-AとCD163に関連性を認めた。 がん患者において、解糖系因子を治療ターゲットとすることで、変調した免疫状態を改善する可能性があることが示唆された。
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