本研究の骨子は「卵巣癌特異的なヒト型モノクローナル抗体であるHMOCC-1抗体が卵巣癌表面のMUC16と正常腹膜表面のMSLNタンパク質との結合を阻害する」という仮説の証明にある。 当該研究により、HMOCC-1抗体による卵巣癌細胞と正常腹膜細胞の接着阻害作用はMSLNとMUC16の結合阻害ではないと分かり、その他の分子機構を介して作用している可能性が示唆された。HMOCC-1抗体による卵巣癌腹膜転移抑制作用の分子機構の新たな解明や臨床応用に向けたin vivo実験の確認など課題を残し終了している。
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