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2013 年度 実績報告書

GAD抗体測定による成人期発症糖尿病の疫学的病態解明

研究課題

研究課題/領域番号 25893088
研究種目

研究活動スタート支援

研究機関名古屋大学

研究代表者

李 媛英  名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20701288)

研究期間 (年度) 2013-08-30 – 2015-03-31
キーワードコホート研究 / 糖尿病 / 抗GAD抗体 / 保存血清 / 職域
研究概要

2型糖尿病と診断されている症例の中には、自己免疫機序によるインスリン不足が成人になってから顕在化する緩徐発症自己免疫性糖尿病(LADA:Latent Autoimmune Diabetes in Adults)が一定数存在することが分かってきている。LADAの病因となる自己抗体は、いくつか報告されているが、膵β細胞に対する自己抗体である抗グルタミン酸脱炭酸酵素抗体(抗GAD抗体: Glutamic Acid Decarboxylase Antibody)の頻度が最も高く、診断や治療方針決定に応用されるようになっている。しかし、一般集団における抗GAD抗体陽性者の頻度や、追跡調査による糖尿病(すなわちLADA)発症のリスクについては米国からの一報を除きほとんど調べられていない。そこで、本研究は、2002年にベースライン調査を実施し、以後糖尿病をはじめとする生活習慣病の発症を追跡している愛知県内某職域従業者のベースライン時保存血清を用いて抗GAD 抗体を測定することとした。ベースライン調査に参加した6,648名中、2011年末までの約10年間の追跡期間中に430名が糖尿病を発症した。また、6,648名中4,213名の血清保存を達成した。今年度、糖尿病発症者を含む全対象者の抗GAD抗体をamplified luminescence proximity homogeneous assay (AlphaLISA)を用いて測定し、測定結果を逐次データベース化した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

測定は最終段階にあり、またデータベースの構築も逐次進めてきている。

今後の研究の推進方策

平成26年度はデータベースの完成と統計解析を実施する。具体的には、(1)Cox比例ハザードモデルを用いて、ベースラインの抗GAD抗体力価とその後約10年間の糖尿病発症リスクとの関連を多変量調整発症ハザード比として推定する。また、糖尿病の家族歴の有無はモデルによる補正を行うだけでなく、層化分析、抗GAD抗体との交互作用の検討も行う。(2)抗GAD抗体陽性者では、インスリン濃度が低いことが予想されることから、抗GAD抗体力価とベースライン時インスリン濃度との関連を調べる。また、その他のバイオマーカーとの関連も検討する。ベースラインの耐糖能異常の有無を、抗GAD抗体とインスリン濃度の組み合わせでできる4群で比較する。(3)さらに、アディポネクチン濃度と抗GAD抗体の関連を調べる。また、両者の組み合わせと糖尿病発症リスクとの関連も検討する。抗GAD抗体陽性で、アディポネクチン高値の群では、その後の糖尿病発症率が高くなっていると予想している。解析結果は、学術論文として公表するとともに、しかるべき学会等で発表し、関連の研究者と意見交換を行う。さらに、研究成果を研究対象者、ならびに広く一般に還元するために、パンフレットを作成し、ホームページにも公開する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Positive association between high-sensitivity C-reactive protein and incidence of type 2 diabetes mellitus in Japanese workers: 6-year follow-up.2013

    • 著者名/発表者名
      Wang C, Yatsuya H, Tamakoshi K, Uemura M, Li Y, Wada K, Yamashita K, Kawaguchi L, Toyoshima H, Aoyama A.
    • 雑誌名

      Diabetes Metab Res Rev

      巻: 29 ページ: 398-405

    • DOI

      10.1002/dmrr.2406

    • 査読あり

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公開日: 2015-05-28  

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