研究実績の概要 |
平成26年度は、2002年のベースライン時年齢が33-66歳であり、凍結血清が保存されている3,216名から抗GAD抗体をamplified luminescence proximity homogeneous assay (AlphaLISA)を用いて測定し、測定結果を逐次データベース化した。抗GAD抗体の測定値はバッチ間での変動が大きいため、バッチごとに測定値の10分位をとり、第10分位(最も値の高い群)を陽性、それ以外を陰性とした。 データ利用に不同意、ベースライン時糖尿病既往歴があるものを除外し、最終的に2,846名を解析対象者とし、追跡期間中の糖尿病発症との関連を検討した。23,981人年の追跡期間中221例の糖尿病が発症した(粗発症率は9.22/千人年)。抗GAD抗体陽性と糖尿病発症リスクの統計学的に有意な関連を示さなかった。性別、年齢を補正したモデルではハザード比(HR(95%信頼区間))は1.37 (0.92-2.04), 更に、閉経有無、喫煙状態、body mass index (BMI)、運動習慣、空腹時血糖値を補正したモデルでのHRは1.30 (0.87-1.95)である。
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