心房細動の発生・維持に与える陳旧性心房梗塞の役割を解明し、新たな治療法を模索することを本研究の主題とする。モデル動物の心房上部を灌流する左洞結節動脈を結紮し、陳旧性心房梗塞を作成。心房細動が自然発生する心房梗塞誘発心房細動モデルの確立に成功した。心房梗塞作成8日後に光学マッピングシステムを用いて細動中の興奮様式を観察すると、境界部領域(梗塞部位と健常部位の境界)に投錨する渦巻き型旋回興奮波と湧き出し興奮波によって細動が維持されていることを確認した。悪性高熱の治療薬でもあるダントロレンが、リアノジン受容体内のドメイン連関障害を是正することで心房梗塞誘発心房細動を抑制することが示唆された。
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