血液培養陰性の感染性心内膜炎などの血管内感染症の補助診断として血液を用いた細菌遺伝子診断の有用性について検討した。細菌全般を検出できる「broad-range PCR」、7菌種を標的とした「菌種特異的PCR」、「オキサシリン耐性遺伝子」を同時にできる遺伝子診断システムを構築し、対象期間内に感染性心内膜炎の確定例10例、不明熱例10例を対象に検討を行ったところ、感染性心内膜炎例について、血液培養が陰性化した後においても、血液から細菌遺伝子を検出することができた。血液を用いた細菌遺伝子診断は血液培養陰性の血管内感染症の診断や抗菌薬選択に有用である可能性が示唆された。
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