研究課題
関節リウマチは、日本の人口の約0.5%の患者を有する最も頻度の高い自己免疫疾患の一つであり、滑膜の炎症に伴う進行性の骨破壊を生じるため、患者の運動機能が著しく制限される。そのため、骨破壊による関節機能障害の制御が、リウマチ治療の最大の課題である。関節リウマチにおける関節破壊は、滑膜の炎症から始まり、滑膜の増殖、パンヌスの形成、骨・軟骨破壊へと進行していく。その病態形成には、破骨細胞、マクロファージ、T細胞が複雑に関与すると考えられている。しかしながら、「それぞれの細胞が、いつどのようにして関節内に遊走してきて、関節炎が発症するのか」という関節破壊に関わる細胞の遊走制御や動態については、これまでほとんど解明されていなかった。本研究では、関節炎・関節破壊の現場をin vivoで可視化するべく技術開発を行い、生体多光子励起イメージング系を独自に改良することで、関節炎を誘導した動物の生きた関節内における生きた破骨細胞の動態を経時的に観察することに成功した。さらに、炎症性骨破壊モデルを用いて、関節破壊の進行を強力に阻止する抗サイトカイン治療薬の薬効評価を行い、抗サイトカイン治療薬が破骨細胞の骨吸収に及ぼす効果を明らかにした。本研究で確立した蛍光生体イメージング技術は、今後、関節リウマチの病態生理に関わる細胞の遊走動態の解明や、新たな関節リウマチ治療薬の開発において強力な手段となり得ると考えられる。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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