腎移植後のTCMRにおいては第2経路によって補体カスケードが活性化し、補体制御因子が低下することによってさらに活性化され移植腎が障害されるということが判明した。また補体制御因子をさらに低下させることによってTCMRが促進し移植腎の生着率が低下した。Recombinantの補体制御因子の作成が困難であったため、補体制御因子を上昇させる実験は施行できなかったが、ヒト移植腎において補体制御因子の発現が高い移植腎は治療に対する反応性が良好で、生着率も良好であるという結果であった。これらの結果から補体制御因子または補体カスケードを制御することがTCMRの新たな治療手段となり得る可能性が示唆された。
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