ヒト心臓のペースメーカ細胞は生体から直接採取することが不可能なため、全く研究が進んでいない。そこで本研究では、ヒトES細胞の心筋分化誘導系からHCN4遺伝子の発現を指標にペースメーカ細胞を分取する実験系を構築した。この系を用いて分取したヒトペースメーカ細胞は、自動能や自動能を生成するイオンチャネル電流を有し、マーカー遺伝子の発現やペーシング機能の検証から、生体のペースメーカ細胞とほぼ同等の性質を示すことが明らかとなった。以上より、本研究によって、新たなヒトペースメーカ細胞の分取解析系の確立に成功した。
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