NAC1 は、卵巣がんで高発現しているタンパク質として申請者らが同定し、腫瘍再発や腫瘍悪性度に関与していることを報告してきた。本研究により、がんの中でも極めて悪性度の高い膵がん細胞株において、1)NAC1 の C 末端に存在する BEN 領域が DNA と直接結合する能力を有し、2)特定の DNA 配列を認識し、3)細胞内において 350-450kDa の複合体として転写制御因子複合体として核内に存在していることを明らかにした。 今後さらに研究を進め、膵がんの細胞浸潤能を制御する NAC1 の下流遺伝子群を同定解析し、治療標的への応用を目指す。
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