研究課題/領域番号 |
25893139
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
前田 直人 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (10708051)
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研究期間 (年度) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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キーワード | 唾液分泌 / 大脳皮質咀嚼野 / 顎運動 / 筋電図 / ラット |
研究概要 |
本研究は,中枢神経系における唾液分泌調整メカニズムを解明することを大きな目的としている.特に,上位中枢のうち大脳皮質咀嚼野に着目し,咀嚼運動と唾液分泌の関連および咀嚼野が唾液分泌に及ぼす機能を,ラットを用いた動物実験で解明することを目的としている. ラットには大脳皮質咀嚼野が2つ存在し,連続電気刺激すると異なるパターンのリズミカルな咀嚼様顎運動が誘発されることが知られている.本研究では,ラットの顎下腺導管にカニューレを設置し,2つの皮質咀嚼野を電気刺激したときの咀嚼様顎運動と唾液分泌を同時に記録した.その結果,2つの皮質咀嚼野のうち,後方の咀嚼野(P-area)の刺激でのみ顎下腺唾液分泌が誘発されることが明らかとなった.また,皮質咀嚼野への電気刺激の強度を変化させることで,誘発される顎運動と唾液分泌に違いがあることが分かった. 本研究によってはじめて,大脳皮質咀嚼野の刺激によって誘発される顎運動と唾液分泌の関連が明らかとなった。したがって本研究は,唾液分泌における中枢神経系の機能を解明する上で非常に重要な意義があると考える.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画どおり,ラットの2つの皮質咀嚼野から誘発される顎運動と唾液分泌との関連について検討することができた.また,その内容で学会発表および論文作成することができた.
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今後の研究の推進方策 |
筋弛緩材を用いてラットを非動化することで,皮質咀嚼野を電気刺激しても咀嚼様顎運動が生じない状態にし,その際の顎下腺唾液分泌を記録する.顎運動に伴う口腔感覚の影響を排除することができるため,唾液分泌に占める反射性唾液分泌と中枢性唾液分泌の割合を明らかにすることができると考える.
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