エナメル上皮腫35例において、腫瘍実質細胞が間質に及ぼす影響について検討した。間質に影響を及ぼす因子としてTGF-β、BMP4、CCN2、CD68, RANKLの発現と局在を免疫組織化学的に検討した。さらに、エナメル上皮腫摘出物から間質線維芽細胞を初代培養して得たASF0000、ASF0111細胞にエナメル上皮腫由来細胞株AM-1細胞の培養上清やrhCCN2を加え、細胞増殖や形態への影響を観察した。エナメル上皮腫では、成長因子の発現量の差異が、間質の性状に関与する可能性が示された。特にCCN2は間質の性状を変化させ、骨関連因子の発現に影響を与え、間接的に骨吸収に関連する可能性が示唆された。
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