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2013 年度 実績報告書

機能性アメロゲニンペプチドによる歯周組織代謝活性機構の解明と歯根吸収予防への応用

研究課題

研究課題/領域番号 25893147
研究種目

研究活動スタート支援

研究機関広島大学

研究代表者

吉見 友希  広島大学, 病院(歯), 歯科診療医 (50707081)

研究期間 (年度) 2013-08-30 – 2015-03-31
キーワードアメロゲニン / セメント芽細胞 / 歯根吸収
研究概要

歯根吸収は矯正歯科治療による副作用のうち、最も高頻度に認められるにも関わらず、発生機序の詳細は不明である。歯根吸収のリスク因子は報告されているものの、現在のところ消極的な対症療法しか存在しない。
エナメル蛋白の主要成分であるアメロゲニンは、近年、エナメル質形成のみならず、歯周組織を構成する様々な細胞に対しても生理活性を有することが多く報告されている。しかしながら、その強い極性から生理的条件下では凝集し、安定的で効率のよい効果を得ることが難しい。
本研究では、エナメル蛋白の1つであるアメロゲニンの生理活性に着目し、歯根表面に存在するセメント芽細胞および破歯細胞に対しての生理活性部位を明らかにすると共に、解明した活性部位を有する機能性アメロゲニンペプチドを活用することで、矯正歯科治療中の歯根吸収の発症を安定的に予防する新規の治療法を確立することを最終的な目的とし、研究を行っている。
現在のところ、アメロゲニンの生理活性部位が完全長アメロゲニンのC末端側に存在することを明らかにした。ペプチドは、アミノ酸配列が1つ異なるだけで全く違う作用を発現することがあり、またペプチドは小さいがゆえに分解されやすく、生体内での効果の持続時間が減少する可能性があることから、より効果の高いアメロゲニンペプチドの設計および至適濃度の検討を行う必要があるため、様々な大きさのC末端側ペプチドを作製し、最も効果の高いペプチドの候補を決定したところである。
上記の研究結果は第72回日本矯正歯科学会大会(松本)にて発表を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究ではセメント質におけるアメロゲニンペプチドの役割を解明し、歯根吸収に対する予防法を確立することを目的とした計画を立案している。完全長アメロゲニンのアミノ酸配列を元に、様々な大きさのC末端側ペプチドを作製し、最も効果が高く、安定した性質を有するアメロゲニンペプチドの探索を行うため、それぞれのペプチドの物性の解析および、それぞれのペプチドをセメント芽細胞および破歯細胞に添加し、細胞増殖能および基質産生能の評価を行い、最も効果の高い機能性アメロゲニンペプチドを決定することが初年度の目標であったが、予定通り機能性アメロゲニンペプチドの候補が決定され、概ね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

平成25年度では、各細胞に対するアメロゲニンペプチドの効果から、最も効果の高い機能性アメロゲニンペプチドの候補は決定することが出来た。平成26年度では、前年度の結果を踏まえて、機能性アメロゲニンペプチドの生理活性発現におけるシグナル伝達経路に関する検討およびin vivoでの実験を行う。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] アメロゲニン生理活性部位の解明-新規アメロゲニンペプチドによるセメント質再生への応用-2013

    • 著者名/発表者名
      吉見 友希、國松 亮、廣瀬 尚人、粟田 哲也、丹根 由起、吉岡 基子、光吉 智美、鷲見 圭輔、蘇 少卿、沖 奈苗、岡本 友希、以呂免 和子、高田 隆、丹根 一夫、谷本 幸太郎
    • 学会等名
      第72回日本矯正歯科学会大会
    • 発表場所
      松本
    • 年月日
      20131007-20131009

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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