本研究では、エナメル蛋白の1つであるアメロゲニンの生理活性に着目し、歯根表面に存在するセメント芽細胞および破歯細胞に対しての生理活性部位を明らかにし、さらに、解明した活性部位を有する機能性アメロゲニンペプチドを活用することで、矯正歯科治療中の歯根吸収の発症を安定的に予防する新規の治療法を確立することを最終的な目的として研究を行った。その結果、アメロゲニンのC末端側11塩基ペプチドの作用により、セメント芽細胞の細胞増殖能および石灰化能を亢進させることが明らかとなり、機能性アメロゲニンペプチドがセメント芽細胞の細胞活性に有効であることが示された。
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