現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
CXCR4はポドサイトにおいて、BMP4により強力に発現が誘導されることが予備実験で明らかになった。培養ポドサイトを用いて、糖尿病において活性化が確認されているTGFβ-ALK5-Smad3およびBMP4-ALK3/6-Smad1の両経路によるCXCR4発現誘導の機構を解析中である。培養ポドサイトにTGFβ、BMP4刺激を加え、p38MAPKやポドサイトの細胞骨格の機能維持に重要であるRac, cdc42の活性化、ポドサイトによる糸球体濾過機能の重要な機能分子であるnephrin, podocin, CD2AP, Tpbgなど発現調節や細胞内局在の変化、アクチンフィラメントの変化を染色により実施した。 糖尿病性腎症モデルマウスを用いて、各々のモデルにおいて、腎糸球体内におけるCXCR4およびBMP4/Smad1などのCXCR4制御分子の存在・発現を病期の早期から各段階で、単離糸球体でのmRNA発現、免疫組織学的解析によるタンパク質発現を詳細に解析中である。糖尿病におけるポドサイト障害発症・進展の関係を、尿中アルブミンの測定により明白にするため、尿中CXCR4測定のための尿サンプルを収集している。 糖尿病患者の尿・腎組織サンプルのバンク化と尿中CXCR4測定システムの構築のために、倫理委員会で承認せれ、同意書の得られた腎生検実施患者の尿・腎組織の収集を行った。アルブミン尿、腎機能、腎臓のエコー所見、生活習慣、メタボリックシンドロームなどの危険因子、心血管病などの合併症の有無、使用薬剤などの臨床データも集積中である。
|