慢性腎臓病(CKD)は我が国のみならず全世界において重要な病態である。腎症発症・進行の分子レベルでの病態を明らかにし、有効な治療法を開発することは極めて急務である。そのためには、病態の中心となる標的分子の同定が不可欠である。タンパク尿の出現や腎機能低下の直接の原因となる糸球体上皮細胞(ポドサイト)に着目し、新規標的分子CXCR4・CXCR7の腎症での分子病態解析を基に、新たな診断のためのバイオマーカーの樹立と新規分子標的治療の探索を行った。CXCR7は腎臓組織のポドサイトに存在し、尿中に排出されていることが確認できた。腎症発症後、ポドサイトのCXCR7発現量は低下することが確認できた。
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