本研究により、肝硬変症において肝脾相関が確かに存在し、脾腫が肝硬変症における門脈圧亢進症に積極的に関与しているだけでなく、肝線維化や肝再生、さらにはC型肝炎における免疫異常にも少なからず関与していることが明らかとなり、脾機能亢進症というよりはportal hypertensive splenopathyと呼ぶのがふさわしい病態と考えられた。肝硬変症において、腹腔鏡下脾摘術によるportal hypertensive splenopathyの制御は、肝硬変症の予後改善に寄与できる可能性があると考えられた。
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