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2013 年度 実績報告書

外胚葉異形成症の新たな発症機構 -ストア作動性カルシウム流入の異常- の解明

研究課題

研究課題/領域番号 25893176
研究種目

研究活動スタート支援

研究機関九州大学

研究代表者

梅田 まりこ  九州大学, 大学病院, その他 (40707618)

研究期間 (年度) 2013-08-30 – 2015-03-31
キーワードストア作動性カルシウム流入 / 遺伝子発現 / 外胚葉異形成症
研究概要

外胚葉異形成症(ED)は、歯や唾液腺あるいは毛髪の形成異常を引き起こし、咀嚼機能の低下やう蝕活動性の上昇などを介して、幼少期から、患者のQOLの著しい低下を引き起こす。
本研究は新規ED原因遺伝子と考えられるSTIMファミリーの遺伝子欠損マウスを用いて、主にin vitroでの細胞内Ca2+濃度の蛍光イメージングと、in vivoでの毛包と歯の表現型解析を軸に多角的に分析し、上皮系細胞におけるストア作動性Ca2+流入の役割を調べることを目的とする。今年度は、毛胞・エナメル芽細胞におけるストア作動性Ca2+流入機構に関わる分子群の発現プロファイル探索を主に行った。具体的には異なる発生段階が認められるマウス毛包・切歯・臼歯切片を作成し免疫組織化学法により発現解析を行った。その結果、エナメル芽細胞分化過程においてSTIM1発現が認められ、分化により発現に変動が認められた。マウス切歯免疫染色の結果によるとエナメル芽細胞前分泌期、分泌期、前期成熟期には発現が認められ、成熟期に最も高いシグナルが観察された。しかし、後期成熟期、退縮期には発現が認められなかった。これは、STIM1がエナメル質の形成時期特異的に発現しており、エナメル質基質の再吸収時に重要な役割を果たしていることが推測される。この結果は、近年報告されているSTIM1の欠損患者あるいはSNPを有する患者において、Hypomaturation typeのエナメル質形成不全症が発症しているという事実を裏付けるものである。また、毛包においてもSTIM1の強い発現を確認することができた。今後は、臼歯、毛包、唾液腺においてもSTIMの役割を探索していく予定である。また、今年度は上皮特異的STIM遺伝子欠損マウス(K14-Cre/STIM1flox/floxおよびK14-Cre/STIM1flox/flox・STIM2flox/flox)の作成にもとりかかった。現在、目的の遺伝子型を得るために交配を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

マウスの交配が遅れているため、実験計画にあった毛包・エナメル芽細胞におけるCa2+シグナル伝達-遺伝子発現変化と制御機構の解析があまり進んでいない。

今後の研究の推進方策

今後は更に詳細なSTIM・ORAIファミリー、TRPファミリー(TRPC、TRPM、TRPV)など細胞内カルシウム濃度を調節する分子の発現時期の解析を行うため、特に歯においては、エナメル芽細胞のすべての分化段階が観察できる矢状断切片を作製し、前分泌期、分泌期、成熟期のエナメル芽細胞における発現パターンの確認を継続する。加えてエナメル芽細胞様細胞株(HAT7)でのSTIM1・2、ORAI1の発現解析と機能解析を行ってゆく予定である。
また、本年度より作成を開始したSTIMの遺伝子改変マウスが得られ次第、毛包・エナメル芽細胞におけるCa2+濃度・応答の解析を共焦点顕微鏡下でリアルタイムで測定するとともに、遺伝子改変マウスの表現回解析を進める予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] The role of microRNA-­‐200a in mouse condylar carClage during embryonic development2013

    • 著者名/発表者名
      梅田 まりこ、寺尾 文恵、吉崎 恵悟、宮崎 佳奈子、高橋 一郎
    • 学会等名
      第72回日本矯正歯科学会大会
    • 発表場所
      日本宮城県松本市
    • 年月日
      20131007-20131009

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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