本研究は新規外胚葉異形成症原因遺伝子と考えられるSTIMファミリーの役割を調べ、ストア作動性Ca2+流入の生物学的意義を検索することを目的とした。 研究の結果、STIM1はマウス切歯のエナメル芽細胞の成熟期に特異的に発現し、上皮細胞間接着に関連するClaudin-1の発現と相関を有することがわかった。また、マウス切歯におけるエナメル芽細胞内のCa2+濃度の蛍光イメージングを行い、方法を確立した。さらに、上皮特異的STIM遺伝子欠損マウスを作成し表現形解析を行った。これらの結果から、STIM1はストア作動性Ca2+流入を介してエナメル基質の石灰化に重要な役割を果たしていることが示唆された。
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