事前研究として、スパイラルアレイによる免疫組織化学検査の有用性を確認するべく、富山大学病院で作成された肺癌手術症例のスパイラルアレイを用いた検討を行った結果、Ki-67 の発現率が10%以上の症例で予後との有意な相関を示した。この結果より、スパイラルアレイを用いた予後因子の探索が有用である事を示した。本研究は後向き研究として計画されたが、当初の症例抽出条件に基づくと、実際の症例抽出は困難であった。研究遂行のためには、前向き研究へと変更し、治療介入する必要性も考えたが、患者が不利益を被る可能性も否定できないため、断念した。そこで対象を生検検体から手術検体に変更して研究を継続することとした。現在、症例抽出とSpiral arrayブロック作成に着手しており、進行中である。今後、症例抽出とSpiral arrayブロック作成を継続し、完了した時点で免疫組織化学検査による予測因子の探索を行う予定である。
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