発展途上国でのロタウイルスワクチンの有効性が低い原因を探るため、ベトナムでの有効性が低かった5価ロタウイルスワクチンの臨床試験が行われたときに流行していたG1P[8]とG3P[8]のロタウイルスの全ゲノム解析を行ったところ、G1P[8]株およびG3[8]株の遺伝子型構成はG1/G3-P[8]-I1-R1-C1-M1-A1-N1-T1-E1-E1-H1であった。分子系統樹解析の結果とあわせて、ベトナムで流行している野生株は先進国と大きく変わることがないことがわかった。すなわち、発展途上国でのロタウイルスワクチンの有効性が低い原因は流行株の違いが主たる原因ではないと考えられる。
|