便秘症状を有し便秘薬を使用する成人女性に対して、生活習慣や排便状況、及び、健康行動に関するアンケート調査を実施した。日本国内において地域で生活する成人女性について、医療機関及び成人女性が多く集まると考えられる学校や一般企業などを対象に、18-50歳の便秘症状を有し、便秘薬を使用している成人女性100名を募集した。 回収された調査票は108名分で、うち83名の調査票を分析対象とした(有効回答率76.9%)。対象の平均年齢は35.06(±8.60)歳であった。便秘薬を内服し始めた時の生活状況では「運動不足」(70名 84.3%)、「ストレスを感じる出来事があった」(39名 47.0%)、「食事中の栄養が偏っていた」(33名 39.8%)などがあった。現在便秘薬を内服している理由には「使用しないと便秘症状が改善しないため」「使用を中断すると排便状況が悪化するため」「使用を中断するとむくみや腹満感などの身体症状があるため」などがあった。副作用症状がありながらも便秘薬を使用しているのは7名(8.4%)で、排便がない場合の日常生活行動および精神面・身体面への影響が内服の理由であった。健康行動は、便秘薬の内服頻度が「3日に1回以上」と「4日に1回以下おいて、Health Locus of control 尺度(JHLC)のCHLC(運命に原因を求める考え方)に有意に差があり、「4日に1回以下」の群で得点が高い傾向にあった。 以上の結果から、便秘薬を内服する成人女性は、ストレスや運動不足などの生活状況の変化が便秘薬を内服するきっかけとなり、現在では、便秘薬なしには便秘症状が改善されないことに加えて、便秘症状に附随して起こる身体・精神症状の回避のためや副作用症状の経験がないことなどが理由となり、便秘薬の選択へと繋がることが明らかになった。
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