研究課題/領域番号 |
25893195
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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研究機関 | 埼玉県立大学 |
研究代表者 |
櫻井 育穂 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 講師 (30708516)
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研究期間 (年度) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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キーワード | 成人先天性心疾患 / 移行期支援 / 小児看護学 / 思春期・青年期 |
研究概要 |
成人先天性心疾患患者とその家族の移行準備状況とニーズに関する基礎的研究ついて、平成26年度の実態調査にむけた調査票の原案作成を行った。 (1)国内調査準備では、日本小児看護学会、日本循環器看護学会、日本成人先天性心疾患学会、成人移行期支援フォローアップ講座に参加した。加えて、成人先天性心疾患や移行期支援に関わる医師・看護師・看護教員との会議を2回行った。それにより、①移行期支援における現状と課題について把握するとともに、②移行期支援における子どもの心理社会的側面・セルフケアへの支援について示唆を得た。①については、小児型医療から成人型医療への「診療の場」の移行におけるシステムの問題、多職種チームとしての支援が不足している問題があげられた。②については、心理社会的側面では、患者の病気の理解、ソーシャルサポートを得る力と自己開示力の重要性があげられ、セルフケアにおいては、特に感染予防と制限に対する理解とケアが重要であり、それに加えてセルフケアに関する親の自立への認識・支援が子どもの自立に影響する可能性があげられた。それらを基に調査原案を作成した。さらに、プレテストとして3名の患者・家族に調査票を実施し、その後ヒアリングを行い、調査票の設計を変更した。また、来年度の調査に向け、当大学の倫理委員会の承認を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1. 国内調査:1)以下の学会・講演会より、10代後半~20代の患者・家族への移行準備に関する支援の実際と、看護職を中心とした関連職種の役割および連携体制について資料収集を行った。 ①東京医科歯科大学主催の移行期支援に関する講演会②日本小児看護学会(高知)③日本成人先天性心疾患学会(岡山)④日本循環器看護学会(東京) 2)上記資料と文献より、成人先天性心疾患をもつ患者・家族への心理社会的支援の内容に関して分析した。その分析結果より、研究協力者(研究協力施設岩原医師)、先行研究者・関連領域の専門家(東京医科歯科大学 丸光惠教授)との会議により助言・指導を複数回得て、調査票を作成し、3名の対象者にプレテストを実施。 3)研究協力者(岩原医師)による、対象者のリストアップ実施し、現在データ収集中である。また、クリニックのみでは対象者の確保が困難と予想し、順天堂大学医学部附属浦安病院でのデータ収集を検討中。 4)埼玉県立大学倫理審査委員会へ申請し平成25年7月26日に承認。今後、順天堂大学医学部附属浦安病院倫理審査委員会へ申請予定。
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今後の研究の推進方策 |
1.国内外調査:以下の国内学会・海外視察より得た資料を加味し考察する。 ①日本小児看護学会 ②日本思春期学会学術集会 ③UCLAメディカルセンター移行支援外来 2.調査実施・データ分析:先天性心疾患をもち、小児科外来に検査・投薬にて通院する15~20代の患者とその家族60組に対して、半構成的アンケート調査を実施し、SPSSによる記述統計と質的分析により、移行準備状況と親子間の相違、新たな移行に関するニーズを抽出する。また、日本における成人先天性心疾患患者とその家族の移行準備に関する支援方法を検討する。 3.研究計画遂行上の問題点:上記1.③UCLAメディカルセンター移行支援外来への視察に対する先方とのスケジュール調整が困難なため、Skypeによる担当者会議、もしくは、研究協力者による視察へ変更し、その情報を考察に加味することとする。
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