本研究の目的は、成人先天性心疾患患者とその親の移行準備状況について明らかにし、支援の方向性を検討することである。平成25年度は、移行期支援の文献検討を行い調査票を作成し、平成26年度は、小児科外来に通院する先天性心疾患患者(15歳以上)35名と、その親32名より調査回答を得た。 その結果、移行準備状況として、①患者の漠然とした病気の理解と、療養行動の認識の低さ、②年齢に応じた周囲への病気説明の実施と医師による情報的サポートの獲得、③移行に対する患者の不確かさと、医師・親中心の移行が抽出された。上記の文献検討より得られた知見と調査結果の一部は、日本思春期学会学術集会のシンポジウムにて報告した。今後は小児関連学会にて調査内容の全容を発表する予定であり、論文投稿に向け準備している。さらに調査を進め、上記結果を国内外の文献と比較し、日本における移行期支援に関するアセスメントシートの開発を行う予定である。
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