多くの先天性心疾患患者が成人期を迎え、小児型から成人型医療への移行が求められている。本研究は、成人先天性心疾患患者とその親の移行準備状況について明らかにし、支援の方向性を検討した。その結果、患者の漠然とした病気の理解と療養行動の認識の低さが移行に対する動機づけに影響を与えている事が示された。また、移行に影響する要因として、患者の周囲への病気説明や病気関連の情報取得があり、それらには、親の頻回な病気説明や医師から情報的サポートが関連していた。しかし、移行の実態は、医師・親中心であり、患者は不確かさを抱いていた。今後、患者の支援と同時に、親が患者の移行を手助けできる支援を検討していく必要がある。
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