研究概要 |
本研究の目的は、介護老人保健施設入所中の軽度・中等度認知症高齢者12人に対して、園芸活動プログラムを実施し、効果を検証することであった。 活動方法は,園芸活動を週1回,6週間を1クール(6回)として行った.介入開始前と介入終了1週間後の評価には,認知機能(MMSE),意欲(Vitality Index),行動症状(DBD)を用いた.また,同一対象者12名が園芸活動参加時と音楽活動参加時の心理・行動的効果(PAFED)を用いて評価し,比較検討した. その結果,介入前後の得点変化は,行動症状(DBD)に変化はなかったが,介入開始前と比べて介入終了1週間後に認知機能(MMSE)の有意な増加(P<0.05),意欲(Vitality Index)の有意な増加(P<0.01)が認められた.また, 音楽活動参加時よりも,園芸活動参加時のほうが,PAFEDの得点が有意に高いことが認められた. 以上より,園芸活動が,認知機能(MMSE),意欲(Vitality Index)を向上させ,また,音楽活動よりも意欲や関心を高める活動である可能性が示唆された.
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