我が国における2型糖尿病の治療では,診断後2,3カ月間の食事・運動療法から開始し,血糖コントロール状況に応じて薬物療法やインスリン療法が行われるのが一般的である.近年,2型糖尿病の発症後早期に良好な血糖コントロールを維持することは,細小血管障害・大血管障害の発症抑制に有効であることが明らかとなり,早期から経口血糖降下薬やインスリン療法を適切に導入することで厳格な血糖コントロールを達成・維持することの重要性が指摘されている.2型糖尿病の新規診断患者は,個々の治療方針に応じて診断直後から適切な食事療法・運動療法を自己管理のもとで確立することが求められており,新規診断患者に対して適切な自己管理支援をすることは,合併症の発症・悪化予防の観点から重要な看護介入であると考えられる. これらの背景より,本研究では,2型糖尿病の新規診断を受けた患者を対象に質問紙調査を実施し,診断直後,診断後12カ月の自己管理行動の実施状況と糖尿病のコントロール状況(HbA1C,BMI,治療方針の変更)の推移,およびこれらの関連を明らかにすることを目的とした. 平成26年度までに調査機関との協力体制を構築し,19名の患者のリクルートが終了した.今後,対象者数100例を目標に調査を継続する予定である.
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