研究課題
横紋筋肉腫(RMS)は、小児で最も頻度の高い軟部悪性腫瘍であり、その1亜型である胞巣型(ARMS)の予後、特に特異的キメラ遺伝子PAX3-FOXO1を発現している腫瘍の予後は未だ極めて不良である。我々はヒトaRMS細胞株Rh30, Rh41、マウス検体はMyf6Cre、Pax3:Foxo1、p53コンディショナルマウスおよびPax7CreER、Ptch1、p53 コンディショナルマウスを用い、Pax3-Foxo1の発現量をリアルタイムPCR 、Western blot、および免疫組織化学で確認、またPax3:Foxo1 promoter activityはYFPを用い共焦点顕微鏡で測定した。FACS sortingを用い、細胞周期特異的細胞を抽出、siRNAでPax3:Foxo1を特異的にノックダウンした後、mRNAアレイ、機能解析を行った。PAX3-FOXO1は細胞周期G2期特異的に発現量が亢進していることが、QPCR、タイムラプス撮影、Western blotで確認できた。Pax3:Foxo1はG2/M特異的にいくつかのチェックポイント適応遺伝子を調節していることが示唆された。放射線でDNA二重鎖切断を誘導すると、Pax3:Foxo1がG2/Mチェックポイント適応を誘導することが確認できた。近年、PAX3-FOXO1はaRMS特異的腫瘍マーカーとしてだけではなく、異常活性化された転写因子として、その下流の標的分子やシグナル伝達についての研究が進んでいる。いままでにもPAX3-FOXO1導入前後での網羅的mRNA解析やChip-seqの報告があるが、今回我々は細胞周期G2/M細胞のみを抽出し、それを用いマイクロアレイを行うことで、今までは多くのG0/G1期細胞に埋もれて見えてこなかったG2/Mチェックポイント遺伝子の動きを明らかにすることが出来た。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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PLoS genetics.
巻: e1004107 ページ: e1004107
10.1371/journal.pgen.1004107