本研究の目的は,子どもの泣き場面における父親の対処行動をとおして,父親の養育行動が形成・修正・強化される過程について検討することであった。子どもが生後2ヵ月の夫婦5組を対象に,子どもが生後2ヵ月と4ヵ月の2時点において,半構造化面接を行った。面接内容は,子どもの泣き場面において,父親がどのように関わったかについてである。その結果,生後2ヵ月から4ヵ月にかけて父親の泣きの類推原因及び対処行動は増えていた。また,子どもの成長に伴い,父親は子どもの泣きの原因を特定して対処行動をとるようになっていた。これは,母親と同様に,父親の子どもの泣きに対する認知的枠組みが変化したことを示唆するものと考える。
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