研究課題
齲蝕や炎症を検出できる口腔内カメラとして既に市販されているSOPRO Care(Acteon,フランス)を用い,SOPRO Care先端の画像取得部に開発したマルチファイバ内視鏡のプローブを取り付けた根管観察用装置を作製し,各種サンプルを観察して得られた画像について比較検討した.光照射用光ファイバと画像取得用イメージファイバを同じプローブに収めたマルチファイバ内視鏡を用いた.マルチファイバ内視鏡はプローブ外径が600 μmであり,その中に直径280 μm・6000 pixelsのイメージファイバ1本と,直径50 μmの光ファイバ15本を内包している.マルチファイバ内視鏡の画像取得用イメージファイバの先端をSOPRO Careの画像取得部にレンズを介して接続し,マルチファイバ内視鏡のイメージファイバのプローブ側で取得した画像情報を伝達することで画像取得を行なった.また外部からの光照射は,マルチファイバ内視鏡の光ファイバ先端をハロゲンライトに接続することでファイバ内へ光を入射し,プローブから出力させることでサンプルへの照射を行なった.平面サンプルおよび抜去歯の根管壁の観察を行い,SOPRO Careに付属のソフトウエアであるSOPRO Imaging上で取得した画像の検討を行った.SOPRO Careにマルチファイバ内視鏡を接続した装置により,平面サンプル・抜去歯の根管壁の各画像を取得し,SOPRO Imaging上で比較した.その結果,本装置を用いて取得した画像は,これまでに作製していたマルチファイバ内視鏡により取得した画像と比較して差は認められず,鮮明な画像を取得することができた.SOPRO Careにマルチファイバ内視鏡を接続した装置により根管内の鮮明な画像を取得することができた.この結果は,マルチファイバ内視鏡プローブの汎用性と口腔内カメラの可能性を示唆している.
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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日本歯科保存学会雑誌
巻: 57(5) ページ: 407-413