研究課題/領域番号 |
25893217
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
守下 昌輝 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (60710522)
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研究期間 (年度) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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キーワード | 感染性心内膜炎 / Streptococcus sanguinis / 歯周病原細菌 / LPS |
研究概要 |
感染性心内膜炎が歯周病に与える影響について検討するため、マウスマクロファージ様細胞株RAW264.7を歯周病原細菌A. actinomycetemcomitans由来のLPSで刺激し、我々の開発した微小流路チップへ流通させ、マイクロピラー上に細胞凝集塊を形成させた。また、LPSで刺激しないRAW264.7を用いてマイクロピラー上に細胞凝集塊を形成させ、比較・検討した。その結果、LPSで刺激したRAW264.7ではLPSで刺激しないRAW264.7に比べ、マイクロピラー上に細胞凝集塊をより形成した。 細胞凝集塊とS. sanguinisとの結合についてS. sanguinisがもつpili(線毛)が関与するかを検討するため、piliをもつS. sanguinis SK36株とpiliを欠損したS. sanguinis SK36 pili-knockout株の両者を用いて細胞凝集塊への結合を評価した。その結果、S. sanguinis SK36株がS. sangunis SK36 pili-knockout株に比べ、細胞凝集塊へより接着した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
歯周病原細菌A. actinomycetemcomitans由来のLPSで刺激したマウスマクロファージ様細胞株RAW264.7は、我々の開発した微小流路チップのマイクロピラー上に細胞凝集塊を形成することを確認できた。 細胞凝集塊とS. sanguinisとの結合についてpiliをもつS. sanguinis SK36株とpiliを欠損したS. sanguinis SK36 pili-knockout株の両者を用いて細胞凝集塊への結合を評価したところ、細胞凝集塊へS. sanguinis SK36株が結合したことが確認できた。
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今後の研究の推進方策 |
マウスマクロファージ細胞株においては、歯周病原細菌 A. actinomycetemcomitans由来LPSは、ICAM-1発現の増加を誘導した(Tsutsumi T et al., J Periodont Res 2010; 45(4): 550-556)ことから、LPS がマクロファージを活性化し、細胞接着分子の発現を増加させることは明らかである。そこで本研究においても、マウスマクロファージ様細胞株 RAW264.7を歯周病原細菌 A. actinomycetemcomitans 由来の LPSで刺激し、細胞表面上に発現する細胞接着分子を評価・検討する。 S. sanguinisのpiliと細胞接着分子との結合能の評価に、Quartz Crystal Microbalance(QCM)装置を用いる。水晶発振子のセンサーチップ(400 mm×120 mm)のガラス面に対象となるタンパク質を塗布・乾燥により固定化する。25°C Phosphate Buffered Saline (PBS) 10 mlに浸漬し、結合を確認したい細菌を添加する。固定化されたタンパク質と添加した細菌との結合による水晶発振子の振動の微小変化を周波数の変化としてパソコン上のソフトウェアで捉え、結合能について検討する。
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